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抜け毛の原因として特に多い症状である円形脱毛症を発症する主な原因や髪の毛が抜ける仕組み、そして種類別で異なる円形脱毛症の症状などを詳しく解説します。また、円形脱毛症の症状が軽い場合と重い場合とで違う、円形脱毛症の治療方法の数々をご紹介します。
円形脱毛症の発症原因や髪の毛が抜ける理由について
円形脱毛症とは脱毛斑と呼ばれる円形や楕円形の脱毛が頭部を中心に身体の様々な部位に発生する症状のことです。年齢や性別に関係なく発症し、人口の0.1~0.2%が患者だといわれています。以前は強いストレスが原因で発症すると考えられていましたが、最近では自己免疫疾患が原因で発症すると考えられています。
本来は体内に侵入した異物を排除する役割を持ったリンパ球が免疫機能の異常により毛根を攻撃することが円形脱毛症の主な原因だと有力視されています。また、円形脱毛症の患者のおよそ8%は家族にも円形脱毛症の患者がいるため、遺伝的要因も発症原因の一つと考えられています。さらに円形脱毛症の発症者の約4割がアトピー素因を持つという調査結果が発表されたことで、アトピーの関与も指摘されています。
症状によって分けられる円形脱毛症の種類1
単発型
単発型は最も多い症状であり、頭髪以外にも眉毛など他の部位に脱毛斑ができる場合があります。子供から年配者まで幅広く発生する可能性のある症状ですが、発症者の約8割は発症しても1年以内に治ります。しかし、まれに単発型から多発型へと症状が移行する場合があります。
多発型
多発型は単発型の場合に1つだけ発生する脱毛斑が2つ以上発生する症状です。正しい治療を行った場合でも、症状を完治するには半年から2年程度という長い治療期間が必要となります。
蛇行型
蛇行型とは、脱毛斑が細長く結合して、側頭部の生え際から後頭部にかけて蛇が蛇行したような形の脱毛が起きる症状のことです。症状を治療するのに数年かかる場合があります。
症状によって分けられる円形脱毛症の種類2
全頭型
全頭型の円形脱毛症を発症すると、抜け毛の症状が頭部全体に広がり、最後はすべての頭髪が抜け落ちてしまいます。そして、他のタイプの円形脱毛症と較べて治療することが難しく、治療が長期間に渡ります。そのため治療期間中はウィッグを活用するなど、焦らずに症状と向き合う必要があります。
汎発型
汎発型の円形脱毛症は、頭髪に限らず眉毛や脇毛など、全身の体毛がすべて抜け落ちてしまう症状のことです。様々な種類が存在する円形脱毛症の症状の中でも最も重い症状といわれています。症状を治療するには全頭型と同様にウィッグを活用しながら長期間に渡る治療を行う必要があります。
育毛剤を用いた円形脱毛症の治療効果について
円形脱毛症の治療に有効な薬の大半は医師に処方してもらうしか入手する方法がありません。そのため自宅で円形脱毛症を治療する場合は育毛剤を使用しますが、育毛剤にはあまり円形脱毛症を治療する効果がありません。単発型などの軽い症状の場合だけ、育毛剤を使用することで症状を改善できる場合があります。
そのため、全頭型などの重い症状の場合に育毛剤を使用してもほとんど治療効果は得られません。そのため育毛剤を使用してもまったく治療効果が見られないなど、円形脱毛症の症状が重い場合は基本的に病院や薄毛治療専門のクリニックなどを利用して治療を行う必要があります。
症状ごとに異なる円形脱毛症の主な治療方法
症状が軽い場合
円形脱毛症を発症してから経過した期間が半年未満など、症状が非常に軽い場合は主に「ミノキシジルといった外用薬」「ステロイド外用薬」「塩化カルプロニウム」などの薬が使用されます。そして円形脱毛症を発症してから半年以上が経過している場合には「局所免疫療法」「ステロイド局所注射」「冷却療法」「スーパーライザー療法」「紫外線療法」などの治療法が行われます。
症状が重い場合
円形脱毛症による脱毛面積が25%を超えるなど、症状が重い場合は「ステロイド内服薬」の使用や「ステロイドパルス療法」などが行われます。しかし、全頭型や汎発型などの重い症状は治すことが困難で、長期間に渡る治療を行う必要があるため、医療用ウィッグが使用される場合があります。