ヒトパピローマウイルスを感染予防する策とは
イボには紫外線の影響などによって皮膚が傷んで老化がすすみ、その結果イボとなってしまう老人性いぼ(脂漏性角化症、老人性疣贅)もありますが、ウイルスが傷口などから侵入して真皮に達することで発症するイボ、尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)や扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)の方が多くみられます。
これらのイボのウイルスはヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるものなのですが、いったいどこで感染してしまうのでしょうか。
今回はこのヒトパピローマウイルスのことを知って、イボの治療や予防に役立てればと思っております。
ヒトパピローマウイルス(HPV)はヒト乳頭腫ウイルスとも呼ばれており、パピローマや乳頭腫と呼ばれる疣(イボ)を作るという特徴から名付けられました。
このヒトパピローマウイルスは総称であって発見した順に番号が付けられ、現在では100種類以上の存在が確認されています。
イボの原因となるウイルスはこれら100種類以上の中の一部であり、すべてのヒトパピローマウイルスがイボの原因となるわけではありません。
尋常性疣贅と言う最も一般的なイボの原因はヒトパピローマウイルス2型・4型・26型・27型・57型であり、足底疣贅と呼ばれる足の裏にできるイボは1型や63型。
扁平疣贅は3型と10型と言った具合です。
ヒトパピローマウイルスはイボ以外の症状は出ないもの
ヒトパピローマウイルスは皮膚に一般的にイボと呼ばれる症状を引き起こしますが、イボ以外にも症状を引き起こします。
例えば子宮頸がんはヒトパピローマウイルス16型や18型が感染源とされています。
また尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス6型や11型が原因であるとされています。
共に性感染症に分類されるもので、主に性行為により感染するとされています。
子宮頸がんや尖圭コンジローマの原因ウイルスである6・11・16・18型に対するワクチンが開発されてり、日本でも子宮頸がんの予防接種を受けるようにと定期接種化されましたが、がんなどのリスクが高まるとの理由から、あまり接種勧奨を差し控える事態となっています。
ヒトパピローマウイルスのワクチンは6・11・16・18型に対するものしか開発されていません。
傷口や弱った部分になりやすい
ヒトパピローマウイルスに感染しなければウイルス性のイボができることはありません。
ではヒトパピローマウイルスに感染しない方法ってあるのでしょうか。
実はヒトパピローマウイルスに感染しないようにする予防法と言えるようなものは存在しません。
傷口など皮膚の弱った部分から感染し、真皮にまで到達するとイボが発生すると言われているのですが、完全な感染経路は今の医学でも解明されていないのです。
ヒトパピローマウイルスは自然界にごく普通に存在しているのですが、人間の体内にも存在していると言われています。
このため体外・体内どちらのヒトパピローマウイルスが特にイボに関して関連しているのかが、まだ解明されていないのです。
またヒトパピローマウイルスに感染したからと言って、イボにならない人も多数いるのです。
できるだけイボにならないようにするには
現時点で有効だと言われているのが、とにかく体を清潔に保って健康体でいることです。
免疫力が低下しており、皮膚に弱った部分があるとイボになりやすいと言われています。
なので免疫力が低下しないように健康でいることが重要となってきます。
また擦り傷や紫外線に当たり続けるなど、皮膚が弱くなってしまわないように注意することも大事ですね。
皮が少しめくれた状態は危険です。
ささくれができたりカミソリ負けや水虫など、皮が少しめくれた状態はヒトパピローマウイルスが入りやすい状態だと言えるのです。
皮膚に関して言うと保湿も大事な事です。
乾燥した肌はバリア機能が相当低下するために、ヒトパピローマウイルスが感染しやすい状態であると言うことができるのです。
以上、【ウイルス性のイボの原因】ヒトパピローマウイルスの予防法や治療法について…でした。