はじめに肌の黒ずみは、周囲の色の浅いところと際立って黒く目立つので、気にする人も多いことでしょう。
例えば、鼻の黒ずみは、毛穴に古い角質が溜まり、酸化して黒く見えることによるものですが、それ以外の部分の肌の黒ずみの多くは、メラニン色素が沈着して起きるものです。
デリケートな黒ずみかゆみほど厄介なものである
メラニンは、メラノサイト細胞が肌に刺激があった時に防御反応として作るもので、たとえばかゆみがあった時にその部位を掻きむしると、それが刺激となって皮膚にメラニンが生成され、沈着して黒ずみになって見えるようになってしまうのです。黒ずみとかゆみの両方が特に起きやすい、デリケートゾーン特に女性にとっては、デリケートゾーンの黒ずみは気になるものです。そのデリケートゾーンはまた、かゆみの悩みも多い場所となっています。
女性の陰部のかゆみの原因として、菌や虫による場合があります。例えば白癬菌による白癬症や、カンジダ菌によるカンジダ性膣炎、また、トリコモナス虫が寄生して起きるトリコモナス膣炎や毛じらみ症などです。
これらの場合は、勿論専門医に診てもらう必要があります。しかし、それ以外に、例えば下着や生理ナプキンの材質が肌に合わず強い刺激になっていたり、アンダーヘアの処理、脱毛により刺激されたり、乾燥が進むことによっても、かゆみは生じるのです。
黒ずみかゆみの刺激による脳の伝達とは
そもそも何故かゆみを感じるのか..ということですが、それにはヒスタミンという物質が関係しているとされています。皮膚には肥満細胞というものがあるのですが、これが分泌するヒスタミンが知覚神経に作用して、刺激がかゆみであると脳に伝達します。
脳はそれを神経の末端に伝達するのですが、その時に神経ペプチドという神経伝達物質が放出されて、これが再び肥満細胞を刺激するので、またまたヒスタミンが分泌されてしまう、という悪循環が続くのです。普通なら刺激にはなりそうにない日常の身の回りのものが、人の体質により、誤って「刺激」と認識されてしまい、過剰反応を起こしてヒスタミンが放出されてしまうこともあるのです。
乾燥肌は刺激を受け易い特にアレルギー体質ではない人でも、肌が乾燥していると、刺激を受け易くなります。普段は皮脂や水分で皮膚表面は保護されていて、外部からの刺激から守られていますが、そうした皮脂や水分が皮膚表面で不足すると、外からの刺激に皮膚が防御反応するようになります。
その一つが、ヒスタミンの放出によるかゆみですが、もう一つが、メラノサイト細胞によるメラニン色素の生成なのです。
紫外線からの攻撃を防御するメラノサイト細胞の働き
紫外線という刺激から肌を守ろうとするメラノサイト細胞の働きは、実は健全な防御反応なのです。黒ずみ対策は、まずはかゆみ対策から黒ずみがメラニン色素の沈着によるものであれば、それは何らかの刺激から皮膚を守ろうとする防御反応として起きているので、黒ずみそのものを、それだけ消してしまうというのでは、折角の防御反応を台無しにしてしまうことになります。
黒ずみは、主に美容的な問題ですが、かゆみや肌への刺激は皮膚の健康に関わる問題です。そこで、まずはかゆみ対策に重点を置くと良いでしょう。スキンケアを行うにあたっては、保湿、そして抗炎症を目指すことで、肌への刺激を減らし、そのことで、メラニンが生成される機会も減らすことができるのです。
肌の黒ずみは、メラニン色素の沈着によって起きることがあります。肌は、刺激されると皮膚の防御反応としてメラニンを生成するのです。そこで、肌への刺激、かゆみを少なくするように、保湿、抗炎症の効果のあるスキンケアを心がけることで、メラニンが生成される機会が減り、皮膚が黒ずみにくくなるのです。
以上、メラニン沈着が原因の肌の黒ずみによるかゆみなどは敏感肌を改善することで改善!…でした。