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「葉酸」だって例外じゃない、栄養分が本領を発揮してくれる条件とは?
世の中には実に多くの栄養素があります。
ビタミン、ミネラル、アミノ酸…枚挙にいとまがありません。
しかし、そのほとんどが他の栄養分と補い合い、助け合って効果を発揮していることをご存じですか?
そうです、栄養というのはスタンドプレーではなくチームプレーなのです。
たとえば「葉酸」も細胞分裂に必要不可欠な優れた栄養素のエース的存在なのですが、この葉酸だって例外ではないのです。
葉酸はビタミンBの一種なので、特に兄弟に当たるような関係のビタミンB6やB12とチームを組んで働くことが多くあります。
ですから栄養価が高く、ビタミンやミネラルが豊富な青汁で葉酸を摂取する方法はとても理にかなっているといえるでしょう。
さて、これから青汁の主原料となる明日葉、ケール、大麦若葉を順に紹介していきます。
ぜひ、葉酸摂取のヒントにしてください。
日本原産、香味野菜の王者「明日葉」の青汁
明日葉はせり科の植物で、かつて滋養強壮剤として用いられていましたが、最近まで忘れられた存在でした。
ところがこの明日葉、やや地味な歴史にも関わらず実は3つある青汁の原料で最も高い栄養価を誇ります。
ほとんどの栄養素がケールと大麦若葉を上回るのです。
特にβカロチンの含有量はケールと大麦若葉のおよそ2倍、抗酸化作用があるビタミンE、骨の形成に必要なビタミンK、皮膚を健康に保ち葉酸と相性の良いビタミンB1、B2、B6、B12のビタミンB群の含有量も約2倍と、他の2つに比べて頭一つ抜けている印象です。
もちろん葉酸も100g中100μgと豊富に含まれています。
さらに亜鉛をはじめとしたミネラルも多く含む成分の充実ぶりは「野菜の王」と呼ばれるのにふさわしく、葉酸のパートナーとしては最強でしょう。
しかし、この明日葉の青汁、せり科ということもあって独特な風味と苦みで飲みにくいのが欠点です。
妊婦さんにもお勧めできる優れた青汁ですが、つわりがある人にはつらいかもしれません。
地中海原産、野菜の原点、「ケール」の青汁
ケールは元祖青汁とも言える存在で、今のキャベツの原種でもあるという由緒ある野菜です。
こちらも古くから「野菜の王」と呼ばれた、とても栄養のある野菜なのですが、全体的に比べると明日葉には今一歩及びません。
しかし、葉酸は100g中120mgと最も多く含み、さらに特筆すべきは圧倒的な「カルシウム」の含有量です。
明日葉が100g中65mg、大麦若葉が16mgなのに比較して、ケールのカルシウム含有量はなんと220mg。
カルシウムはご存じの通り重要な栄養素ですが、特筆すべきなのはその取りにくさにあります。
そのため現代人は常にカルシウム不足であり、栄養士さんに「最も意識して摂取すべき栄養は何ですか?」と尋ねれば「カルシウムです」と即答されるほどです。
さらにケールの面白い特長は安眠の効果がある「メラトニン」を含んでいることでしょう。
ストレスの多い現代人の課題の一つはやはり「安眠」。
まさにケールは現代人のために存在しているような野菜なのです。
ただしケールの青汁は3つの中で最もまずいので、まずは少量から試してみるのがいいでしょう。
1万年の歴史の重み「大麦若葉」の青汁
何と言っても麦の歴史は他のどの植物の追随も許しません。
その歴史は1万年以上もさかのぼると言われていますが、もっと古い可能性もあり、それほど麦は人間によって有益な穀物でした。
そんな大麦の若葉を利用したのが「大麦若葉」の青汁です。
全体的な栄養面では、1番が明日葉、2番がケール、3番が大麦若葉と残念ながら最下位で葉酸も100g中40mgと最も低い値です。
しかし、大麦若葉の特長は「鉄」と「食物繊維」の含有量が高いことです。
特に鉄は明日葉が100g中1mg、ケールが0.8mgなのに比べ大麦若葉は4.16mgとずば抜けて高い数値です。
食物繊維は便秘に有効ですし、鉄は貧血を改善します。
ですから、大麦若葉の青汁はこの両方の悩みを持ちやすい女性に適しているといえるでしょう。
そして大麦若葉は3つの青汁で一番飲みやすい味です。
たとえどんなに優れた食品でも味が苦手なら続けられません。
その点では大麦若葉は最も続けやすく、長い目で見れば明日葉とケールよりも優秀な青汁と言えるかもしれません。
葉酸の含有量がやや低いので、妊婦さんが飲むときは葉酸のサプリを併用してもいいでしょう。