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葉酸サプリの原料が「オーガニック」であることの意味
「オーガニック」、これほどイメージが勝手に独り歩きしている言葉はないのではないでしょうか。
実はオーガニック=天然という意味ではないのです。
オーガニックとは自然環境をなるべく損ねないように、科学的に合成された農薬や肥料を使わないで行う「有機農業」のことです。
つまり科学的に合成した肥料は使えないが、天然由来のものなら使えるのが有機農業で、肥料や農薬を使っていないというわけではありません。
有機農業でもJAS法で認められている肥料や農薬なら使用することができるのです。
一方、本当の天然というのは人の手が全く入らないという意味で、ニュアンスとしては「野生」が近いかもしれません。
肥料や農薬が使われていないオーガニックは安全なのか
このようにオーガニックだからといって肥料や農薬が使われていないわけではありませんが、有機農業には厳しい基準があるのは確かです。
そしてその基準をクリアした農作物には有機農業であることを証明する有機JASマークを付けることが農林水産省から許可されています。
ですから有機農産物は一般の農作物よりも安全であると考えてもいいかもしれません。
しかし先に書きましたように、オーガニックは天然という意味ではありません。
この言葉の意味を間違えたままでいると、葉酸サプリを選ぶときに適切な選択ができなくなってしまいます。
もし、あるメーカーが「うちの葉酸サプリは天然だから安全ですよ」と謳っていたら注意が必要です。
まず葉酸には天然の「ポリグルタミン酸型」と合成の「モノグルタミン酸型」の二つがあります。
この二つがどう違うのか次から説明していきましょう。
葉酸の種類、天然のポリグルタミン酸型、合成のモノグルタミン酸型
通常、食事に含まれている葉酸はポリグルタミン酸型という葉酸で、これは体内でモノグルタミン酸型の葉酸に変えられて初めて吸収されます。
この手間があるために食事からの葉酸は50%ほどしか吸収されません。
そして葉酸サプリに含まれる葉酸は、ほとんどがそのまま吸収できるように合成されたモノグルタミン酸型の葉酸で、こちらの吸収率は約100%です。
つまり葉酸が天然か合成かというのは、ただ吸収率が違うだけということになります。
ですから葉酸に関しては、食事からではなくサプリメントから摂取した方が効率がいいのです。
もちろん、天然の葉酸を使っている葉酸サプリも体に悪いわけではありませんが、吸収率が半分程度になってしまうことを覚えておいた方がいいでしょう。
葉酸サプリ表示の原材料が起こす錯覚
イメージの独り歩きにはまだ例があります。
それは野菜や果物などの名前がそのまま載っていると、天然で良さそうだと感じてしますことです。
たとえば表示に「にんじん、ほうれん草、りんご…」などと書いてある場合がそれに当たります。
これらの原材料が本当にオーガニックかどうかは全く別の問題ですし、1回に数粒ではサプリで摂取できる野菜の量などほんのわずかです。
つわりなどでどうしても食事がとれないという人にとっては、意味がないこともないかもしれませんが、食事ができるならこれらの材料を使った料理を食べる方がはるかに効率よく多種多様な栄養を摂取できます。
葉酸サプリはあくまで葉酸やビタミン・ミネラルを補助的に補給する役割だと割り切って、それだけに頼らない食生活を目指しましょう。
葉酸サプリの品質保証「GMPマーク」の信頼性
さて有機農業で栽培された農作物に有機JASマークがあるように、実はサプリメントにも品質を証明するマークがあるのをご存じですか?
これは、厚生労働省がある一定以上の条件をクリアした国内の工場で生産されていることを示すマークで「GMPマーク」と呼びます。
GMPとは、Good Manuacturing Practice の略で、全ての製造過程において製品が安全であるように厚生労働省が定めた管理基準を満たしている工場で生産されたことを示しています。
とくに葉酸サプリのような健康食品は、製造にいろいろな過程があるため製品の成分量に差が出てしまいがちです。
この差が出るのを防ぐために厚生労働省は健康食品を生産する工場の管理基準を定めたのです。
あまり聞きなれないマークですが、その名の通りGMPというロゴが入ったマークで、2種類あります。
GMPマークがなければ品質が良くないわけではありませんが、このマークはサプリメントが一定以上の品質であることの目安でもあるのです。